【開催レポ】第5回ピアサポートおやこ食堂「発達凸凹児のこそだて」

第5回目のピアサポートおやこ食堂「つながるごはん」は、「うちの子だけどうして? 発達凸凹児のこそだて」を開催。

今回は、発達に不安がある子どもを育てる保護者同士が支えあって子育てをしていくための居場所を運営されている「キラリっ子ファミリーカフェ」さんが担当してくれました!

今回の講座のタイトル『でこぼこっ子の幸せな大人に続く道』

講師は、キラリっ子ファミリーカフェ代表の中村ひとみさん。
発達凸凹児の保護者でもあり、元特別支援学校・小学校教員、保育士、保育所等訪問支援員など障害のある子の支援も行っています。

まずは、みんなで簡単なワーク。
質問にこたえると、自分が「ADHDテイスト」「自閉症テイスト」「両方テイスト」のどのタイプかがわかるというもの。

そして、そのタイプと、「苦手なこと」「その苦手を回避するために工夫していること」「その苦手があることでまわりに手助けしてほしいこと」を考え、各自、それを発表して自己紹介。

これは誰でも持っている特性であって、「みんなそれぞれタイプがちがう、考え方、感じ方のものさしがちがう」ことを理解することのワークでもありました。

 

「障害名がつくつかない」問題

そして、発達に不安がある保護者がはじめに待ち受けるのは「障害名がつくのかつかないのか」ということ。
まだ小さいうちは、グレーゾーンと言われ様子見され、モヤモヤすることも。
そこで、「障害名」がつくつかないではなく、その特性のせいで支障がでていて、「支援が必要なのかどうか」を考えてほしいと中村先生。

たとえ同じ特性があったとしても、自分が困らない環境にいなければ支援は必要なく、誰も困っていなければ「障害」にはならないのです。

 

NHK番組あさいち「シリーズ発達障害」に出演

ここからは、中村先生のの経験談のお話も。
NHKの番組あさいちの「「シリーズ発達障害(5)子どもが発達障害かもと言われたら」の取材を受けて放映された映像を紹介。

当時6年生の息子さんが、3年生の時に障害の特性でつらかった時期のことを中村先生とともに語っていました。

 

苦手は克服するのではなく、補う方法を身につける

中村先生は当時、本人のペースを尊重し、安心して学べる環境を整えるために、普通級から特別支援学級に移動することを決意。
そこで、息子さんは助けてくれる大人がいることを知り、他者への信頼を持つことができるようになり、二次障害も無くなっていったとのことです。

まわりがサポートできることは、合理的配慮を認め、苦手を克服させるのではなく、苦手を補う方法を身につけさせること。
本人のいいところをたくさんほめて、それを発揮できる場面を作ることなのです。

 

学校・先生との良好な関係を築くために

学校側に合理的配慮を求めるためには、学校や先生との関係性も重要。
先生へのお願いの仕方で気を付けることを教えていただきました。
1.まずは、感謝・いたわりを伝えてから要望を伝える。
2.親の意見ではなく、医者や専門家からの意見だという。
3.親もがんばりますので力を貸してください。と伝える。

 

最終的に「社会の中で生きていけるようにみちびくこと」

まわりの大人が発達凸凹ちゃんたちのためにサポートすることは、「社会の中で生きていけるようにみちびくこと」。

そのために子どもが身につけるスキルとしては、

1.レジリエンス(落ち込んでも立ち直る力)
2.得意なこと苦手なことがわかっていて(自己肯定感)、苦手なことは助けてもらえるスキル(他者信頼)
3.あいさつ、お礼がしっかりできて愛されるキャラになること、まわりの人たちに助けてもらえるスキルを身につけることが大切。

ピアサポート交流会 他の保護者とのつながりが一番の情報源

ピササポーターの稲葉さんも交えて、参加者の方もいっぱいおしゃべりしていただきました。

「ゲームばかりやって、宿題をやらない」
「給食が味覚過敏、感覚過敏で食べられず、学校に行きたがらなくなってしまっている」
「普通級から支援級にうつったけど、宿題が簡単になりすぎて逆に不安」
「プライベートで遊ぶ友達がいなくて、孤独を感じる」
などなど…

発達障害児の公的支援も色々ありますが、まだまだ知られていない情報も。
集団にいるのが困難になり不登校になりやすい発達障害児。
保育園・幼稚園だけでなく、小中学校など集団の場所へ支援に行ってもらえる「保育所等訪問支援事業」についても紹介。

講師の中村さんは「親だけで抱え込まなくてもだいじょうぶ!
大事な大事なこどもたちを仲間で、社会で、助け合って育てていきましょう♪」というメッセージをいただきました!

 

「食感」にこだわった おいしいごはん

講座・交流会のあとはおいしいごはん。
今回の「つながるごはん」のお弁当は、味覚過敏、感覚過敏の特性を持つことが多い発達凸凹児のお子さまのためのメニュー。


子どもによって特性は違うので、みんなにあったメニューを考えるのはむずかしかったのですが、サクサク食感としっとり食感の2種類の食感のコロッケをメインに、みらいのたね保育園のふたらさんが考え作ってくれました。
また、お野菜嫌いの子が多いので、ポタージュスープも。
レシピはこちら☆

次回は、3月6日(土)多胎児のこそだての回を開催します!
ふたご、みつごちゃんの親子がいらっしゃったら、ぜひお声がけください!